薬害エイズの原因は、エイズウイルスに感染したと推定される外国の供血者からの血液を原料に製造された血液凝固因子製剤を、加熱処理によってウイルスの不活性化を行わないまま、製薬会社が製造、販売し、国が承認し、医療機関が治療に使用したことです。
ウイルスを加熱処理で不活性化した物を加熱製剤と呼ぶのに対し、従前の非加熱で薬害の原因となった物を非加熱製剤と呼びます。加熱製剤が開発された後も、日本では2年4カ月以上もの間、承認されず、非加熱製剤を使い続けたために、多数のエイズウイルス感染者およびエイズ患者を生み出しました。加熱製剤の承認は、1985年12月。
また、日本では、人口に比べて世界の血液製剤消費に占める割合が高く、安易に治療に用いる傾向があります。その結果として、血友病だけでなく各種の病気や手術後の出血予防に血液製剤を投与し、感染被害を拡大することになりました。