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■iPS細胞由来の目の細胞、患者50人に移植へ 神戸アイセンター病院

 神戸市立神戸アイセンター病院は13日、目の病気の患者50人に対して、さまざまな細胞になるiPS細胞(人工多能性幹細胞)から作製した網膜の細胞を移植する臨床研究の計画を発表しました。2017年に、患者5人に同様の手術をして安全性を確かめており、対象の病気を広げて有効性を確認します。

 12日に大阪大学有識者委員会が計画を承認しており、近く厚生労働省の審査機関に実施を申請します。対象は、「網膜色素上皮不全症」の患者。網膜色素上皮は網膜に栄養を与える役割があり、異常が起きると出血が起きたり、目が感じた光を電気信号に変えて脳に送る視細胞が死滅したりして、視力低下などが起きます。2017年の研究で対象にしていた失明の恐れがある目の病気「加齢黄斑変性」や「網膜色素変性症」など多様な病気の原因となり、全体を網膜色素上皮不全症と呼びます。

 これまでの研究で細胞の異常増殖やがん化などがなく、安全性が確認できたとして、対象を広げます。

 臨床研究では、他人の細胞由来のiPS細胞から作製した網膜色素上皮細胞を含む液を、患者の目に注射して移植。移植後1年間観察し、細胞が視細胞の近くに定着するかや、網膜の機能が保たれるかどうかといった有効性、安全性を確認します。

 iPS細胞を使った治療では、目の治療が先行しています。2014年に理化学研究所の研究チームが加齢黄斑変性の患者1人にシート状にした網膜色素上皮細胞を移植しました。人への移植は世界初で、この時は患者本人の細胞をiPS細胞にしました。2019年には大阪大の研究チームが「角膜上皮幹細胞疲弊症」の患者に角膜上皮細胞を、今年10月には神戸アイセンター病院が網膜色素変性症の患者に視細胞をそれぞれ移植しました。

 2020年11月16日(月)