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■熱中症に例年以上の備えを 外出の自粛やマスク着用がリスク要因に

 外出の自粛やマスクの着用など新型コロナウイルスの感染対策が進められる中で、平年を上回る暑さも続きます。熱中症に詳しい専門家は、「誰も経験したことのない夏になる」として、例年以上に備えを徹底するよう呼び掛けています。

 総務省消防庁熱中症情報によると、2019年の熱中症による搬送者は5月から8月までに全国で7万1317人、2018年は9万5127人でした。5月1日には全国的に夏日となり、すでに熱中症シーズンは始まっているのです。

 帝京大学医学部附属病院高度救命救急センターの三宅康史センター長がまず指摘するのは、外出自粛によって体が暑さに慣れにくくなることです。

 通常、体から熱を逃がすには汗をかく必要があり、上手に汗をかくには、暑さに徐々に慣れていく「暑熱順化」の必要があるということです。例年はこの時期から少しずつ暑さに慣れて、汗をかきやすいいわば「夏の体」に変わるはずが、今年は外出の機会が減っているため、熱中症になるリスクが高まる懸念があるといいます。

 自宅で暑熱順化を進める方法もあります。適度に運動をしたり、時々お風呂につかったりして汗をかくことで、暑さに慣れることも有効だということです。ただ、その際は水分補給を忘れないようにして、無理のない範囲で行ってください。

 一方で、暑い時期になると、熱中症の搬送が最も多くなるのも自宅です。暑い時は適切にエアコンを使い、水分補給を心掛けてください。

 特に外出自粛が広がる中、一人暮らしの高齢者などは人との交流が減り、熱中症への注意喚起を受ける機会も減ります。暑い日には離れて住む家族や近所の人が電話をかけて、体調は大丈夫か、適切にエアコンを使っているかなど、確認することも大切だということです。

 マスクをして買い物など外出する際にも、注意が必要です。吸い込む空気が暖かくなり、体から熱が逃げにくくなるほか、マスクをして呼吸することで多くのエネルギーを使い、体温が高くなりやすいからです。

 外出している際にだるさや暑さを感じたら、日陰など涼しいところで休憩する、水分をしっかりとって体を冷ますことなどを心掛けほしいとしています。

 三宅センター長は、「新型コロナウイルス熱中症という両方の対策をせざるを得ない、誰も経験したことのない夏になる。どんな影響が出るかデータがないのが現状であり、一人一人が熱中症に対していつも以上に注意をして、慎重になることが大事だと思う」と話しています。

 2020年5月11日(月)